発足の経緯

ホームスクーリングで輝くみらいタウンプロジェクト・代表の小沼陽子です。なぜこのプロジェクト立ち上げたのか、そしてこのプロジェクトにかける想いをお伝えします。


◆息子の不登校「まさかうちの子が」

私は神奈川県藤沢市に住み、夫と長男(15歳)と長女(12歳)の4人家族です。20年勤めた職場を2016年秋に退職し、現在は専業主婦です。

私は優しい両親のもとで湘南の自由な気風の中、のびのびと育ちました。スポーツが得意で中学時代はバドミントン部の市内引退試合で優勝を果たしました。勉強も嫌いでなく大学は推薦で入学し、就職もスムーズに決まりました。職場は金融系会社の新規事業部で、その事業部が就職して2年目に分社化される事が決まり、社内起業的な貴重な経験をさせて頂きました。その後は産休育休も2回も使わせて頂きあっという間の20年弱でした。いわゆる世間一般的にみてそれなりに上手くいっている人生を送ってきたと思います。

そんな生活が一変したのは、長男が小学校にあがり「学校へ行きたくない」と言い出した事からです。『まさかうちの子が』という思いで一杯でした。学校大好きで育った私達夫婦にとって、息子の気持ちを理解するのは困難を極めました。
それからは、学校を嫌がり逃げ回る息子を毎日無理やり連れていく、壮絶な日々が始まりました。

◆転換のきっかけ

ある朝、学校を嫌がり逃げる息子が13階のマンションから飛び降りてしまうのではないかという姿を見た時、「私は何をやっているのか?」という強烈な思いが胸に走りました。こんなに子供が嫌がっているのに、これは本当に子供の為にやっているのだろうか?
子供の為ではなく世間体や自分の都合を気にした、自分の為にしているんだと気づき大変ショックを受けました。

◆新たな人生の始まり

それから私は学校に行く行かないの前に子供の幸せを考えて、世間体なんて気にせず我が家は我が子にあった教育をしていくと決めました。

では、子供の幸せとは何か?と考えた時、これまでの私は、子供の幸せだけでなく、自分の幸せや自分が本当にやりたい事について真剣に考えたことがなかったと気づき愕然としました。自分の道を必死で歩こうとしている息子の姿から、私は自分自身はどう生きたいのか?息子に突き付けられました。

息子の不登校をきっかけに「自分はなんで学校に行ったのか?」「本当は何がやりたいのか?」「これからの未来はどうなるのか?」「教育に大切なことは何か?」など本当にたくさんのことを考えさせられました。

しかしそこで出会った方々やたくさんの本から新しい世界が見えてきて、息子の不登校のおかげで私の本当の人生が始まったと今は思えています。

◆社会の現状

文科省の29年度調査では小中学校不登校児童数は14万人を超えており、ここ数年は毎年増加しています。学校復帰を前提とした従来の不登校対策を転換し、学校以外の学びの場を提供することの重要性を指摘した教育機会確保法が施行されましたが、現状では学校やフリースクール以外で学ぶ選択肢はほとんどなく、学校に行けない親子は生きずらい社会となっています。
なお、不登校児の内、フリースクール在籍者数は4,196名(文部科学省「小中学校に通っていない義務教育段階の子どもが通う民間の団体・施設に関する調査の結果」)で、不登校児の96%以上が実は家庭で過ごしているのです。

我が子も含め不登校児の中には、学校やフリースクールの様に誰かに管理された場所は嫌だけど、本当は友達がほしいし、興味のある事はやりたいと思っている子供が多くいます。せっかく昼間たっぷり時間があるのに、昼間うろうろしていると怒られるのではないかと不安で外出ができません。また母親も人と会う事を避ける様になり、外出時には帽子やマスクを着用し隠れて暮らしているような方も多く、親子共に孤立しています。

法律が制定され徐々に世間の見方も変わってきているにも関わらず、依然として命に関わるほどのギリギリの状態でいる親子が多いのが実情です。

◆社会ビジョン『学びの選択肢がたくさんあり、学校以外の学びを選択した親子が生きやすい社会』

私は「不登校児はダメな子」のイメージをなくし、まずは不登校親子自身が「今の自分でOK!」と自信を持ち元気になれる社会の雰囲気を作ることが大事だと思っています。

というのは法律やフリースクールができても、本人が元気ならないと何も始まらないからです。

そこで私は「ホームスクーリング」という選択肢を作り、子供達は自分の生き方に自信を持ち堂々とホームスクーリングを実践し、そして母親は子供を応援し、母親自身も自分のやりたい事に向かって楽しく元気に活動できるような環境を整えたいと思っています。

地域の公共施設、大学や大学生、地域の大人達、地元企業や業者、公立学校、フリースクール、塾等、市全体がホームスクーリングという学び方を認識し、日中昼間でも偏見なく子供を受け入れられる体制を整え繋がりのある町になることを強く願っています。その様な環境下であれば、子供達は安心して興味のある事を学べます。例えば図書館では図書館員さんに本のアドバイスをもらったり、スキルのあるシニアの方にプログラミングを習ったり、料理上手のおばあちゃんにお料理を習ったり等々、学ぶ方法は無限です。

◆ホームスクーリングとは

ホームスクーリングとは家庭を拠点に本人の興味や意欲を大切にしながら学ぶ方法で、アメリカでは既に170万人以上もの子供達が実践しています。
またアメリカにおける全国学力テストでは、どの科目もホームスクーラーの平均点が学校へ通う子供達の平均点より高かったという調査結果も出ています。

ホームスクーリングの最大のメリットは、家にいても「今のあなたでOK」と親子共に自己肯定感を持つことができ、時間を気にせず興味のある事を思いっきり探求学習出来る事です。我が家もホームスクーリングという学び方に出会い、親子ともに元気を取り戻す事ができました。元気にさえなれば、学校でもフリースクールでもホームスクールでも、自分にあったやり方でなんでも学べます。

◆不登校の根本原因と根っこにある問題

私自身が不登校児の親となってみて一番辛かったのは、子供の学び方に学校以外の選択肢がほぼないという事。また学校という枠から外れた親子は、世間からの厳しい視線や批判にさらされて孤立してしまう事です。そして更には「不登校は誰にでも起こりうる」という認識が社会でも浸透しつつあるのですが、ホームスクーリングからの就職先の幅がまだまだ狭く、将来の道筋を自分たちで作らなくてはならないという事です。

◆ホームスクーリングという選択肢のある街を創る・プロジェクト立ち上げ

私達はホームスクーリングという選択肢のある街を作ろうと「ホームスクーリングで輝くみらいタウンプロジェクト」を立ち上げました。私達の考えるホームスクーリングは家庭も含めた地域のみんなが「Home!」です。ホームスクーリングという学び方を多くの方に知ってもらい、地域の方々の協力を得ながらホームスクーリングしやすい環境を整えています。子供だけでなく大人にとっても、働き方・生き方の多様な価値観のある街を目指しています。

ホームスクリーングという選択肢ができれば、今、不登校で悩み暗闇から抜けだせない親子にも勇気や希望を与えられます。

子供達は、新しい価値観を持った多くの大人達と触れあい「生き方は一つではない」と感じる機会を多く持つ事ができます。

もともとはNPO法人一新塾という主体的市民を育て社会を変えていこうと活動してる塾で出会った、同じ志をもつ3名で立ち上げたプロジェクトです。一新塾卒塾プレゼンでは、私達のプロジェクトが主体的市民賞を頂き、私はこのプロジェクトが社会に必要とされていると実感しました。現在は仲間も増えて活動がますます広がっています。具体的な活動内容は、定期的に講師をお招きしてセミナーを開催したり、同じ想いの仲間で集まる「朝カフェ」を定期的に開催し、情報を共有し繋がりを作っています。今後も新しい提案や企画を立ち上げていきます。

◆大人が変わらなくてはいけない

子供達は一生懸命自分の人生を生きようと変わってきています。なかなか変われないのは大人達です。大人が子供から学び、新しい価値観を受け入れ、学び方そして生き方の多様な価値観をもつ社会を作れたらみんなが幸せです。

不登校は子供から大人へのメッセージだと感じています。私は学校を否定しているのではありません。学校という学び方にどうしても合わない親子が安心して学べるホームスクーリングという新しい学びの選択肢を作り、そこから巣立った子供達が自信を持ってイキイキと活躍できる社会を作りたいのです。地域のみんなで繋がりあい大きな輪となって、ホームスクーリングしやすい社会を一緒につくりませんか。どうか皆様のお力をお貸しください。

これからも応援よろしくお願いいたします。

小沼陽子