こんにちは。小沼陽子です。
私は2017年にNPO法人一新塾に入塾し、39期生として仲間とともに当プロジェクトを立ち上げました。
一新塾とは、大前研一氏を創設者として1994年に開塾した新しい日本を創造するネクストリーダー養成学校です。
と聞くと、すごいところの様にお感じになる方もいるかもしれませんが、私の様なモヤモヤを抱えた主婦やサラリーマンなど、様々なバックグラウンドを持つ方がこの場に集っており、とても楽しい空間です。
私は一新塾で素晴らしい仲間に出会い、今でも一新塾の塾長をはじめ多くの方々に支えられています。
この度、一新塾ニュースに掲載されましたので、こちらでも全文を紹介させていただきます。
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塾生活動レポート
『どんな子供も好きなところで遊んで学べるまちを作る~優タウン
一新塾39・46期 東京本科 小沼陽子
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●息子の不登校「まさか、うちの子が」
私は、湘南の自由な気風の中、毎日遅くまで友達と
外で遊び回る子供時代を送り、優しい両親のもと
のびのびと育ちました。これといった大きな挫折
もなく、就職も正社員としてスムーズに決まり、
産休育休を二度取りながら、仕事と育児の両立に
忙しい日々を過ごしていました。
そんな生活が一変したのは、長男が小学校にあがり
「学校へ行きたくない」と言い出した事からです。
『まさかうちの子が』という思いで一杯でした。
それからは、学校へ行く事を嫌がり逃げ回る息子
を毎日無理やり学校へ連れていく、壮絶な日々が始まりました。
●自分を見つめなおす
ある朝、学校を嫌がり逃げる息子が、勢いあまって
13階のマンションの非常階段から落ちそうになる
ことがありました。それを見た時、「私は何を
やっているのか?」という強烈な思いが胸に走りました。
「こんなに子供が嫌がっているのに、これは本当に子供の為にやっ
「学校は何で行くのか?私はなぜ学校に行ったのか?本当に行きた
「息子は自分に正直に生きている、私はどうか?私は本当に自分の
こんなことばかり考え続けていました。
●孤立、そして自分を信じる
苦しい毎日を過ごした先に私がたどり着いたのは、
子供が元気に生きていてくれるだけでありがたい、
という境地でした。
私が無理に子供を学校へ行かせないと決めると、
徐々に息子の目に輝きが戻り、私もこれまでの
息苦しさがなくなり、親子ともに楽になっていきました。
しかし、私が子供を学校へ行かせようとしない
ので、夫からも両親からも責められ、身近な人
に理解されない苦しさや孤独の辛さを始めて知りました。
一方、どんどん元気になっていく息子。
『息子を一番見ているのは私。息子が元気になっているのだから間
と信じ続け、折れそうになる心を支えながら過ごしていました。
レールから外れるとなんて社会は生きづらいのか。
子供達はこの社会で元気に生きていけるだろうか?
子供達が生きていく社会を良くするために、
今、私にできることを何か、それを考え続け、
私は20年勤めた会社を辞め一新塾の門を叩きました。
●社会の現状
文部科学省が公表した調査によると、2019年度に
不登校が理由で小中学校を30日以上欠席した
児童生徒は18万1272人で、過去最多を更新しました。
学校復帰を大前提としていた従来の不登校対策を
転換し、学校外での「多様で適切な学習活動」の
重要性を指摘した『教育機会確保法』が2016年2月
に成立したものの、いざ不登校となると子育ては
それぞれの親子まかせで、学びの機会は減り、
精神的にも資金的にも大きな負担を強いられ孤立しがちであるのが
●ホームスクーリングで輝くみらいタウンプロジェクト開始
私は一新塾で出会った同志2人とともに、2017年に
『ホームスクーリングで輝くみらいタウンプロジェクト』を立ち上
ホームスクーリングとは、家庭を拠点に本人の興味
や意欲を大切にしながら、本人の個性や人格を尊重
し、家庭や地域の教育資源を活用して、親が子供の
成長に責任を持ってやっていく教育方法です。
アメリカでは全米で合法化され、300万人が実践していると推定
ホームスクーリングの最大のメリットは、
家にいても「今のあなたでOK」と親子共に
自己肯定感を持つことができ、時間を気にせず
興味のある事を思いっきり探求学習出来る事です。
現在では仲間も増え、『地域のみんなで子供を
育てあい、どんな子供も生きやすい社会』を
目指し藤沢市を中心に活動しています。
不登校当事者親の会『朝カフェ』は2018年5月から
毎月1回開催し、朝カフェのライングループも
でき、現在80名の朝カフェメンバーがいます。
オンライン上でのゆるい繋がりの場となっています。
不登校当事者の気持ちや新しい教育事情を伝える
ため、応援してくださる著名人の方をお招きして
『普通と違っていいんじゃない?』セミナーも
4回開催し、各回とも数十名もの方にご参加いただいています。
その他にも、畑を借りたり、ワークショップを
開催したり、藤沢市にパブリックコメントを
提出したりと様々な活動を行なってきました。
●新型コロナウィルス拡大、オンラインで活動
新型コロナウィルス感染拡大により、全国の一斉休校が決定。
多くの子供が学校にいけず学びの機会が失われ、
子供の世話に追われる親も仕事がままならないという事態となりま
そんな中、私達は朝カフェライングループ内で
頻繁に連絡を取り合い、無料学習サイトの共有や、
Zoom勉強会・交流会を何度も開催し、遠方や海外
のメンバーとも気軽に連絡が取れる様になり、
逆に活動の幅が広がりました。
●ステイホームで気づいたこと
ステイホーム期間中、我が家の子供達の勉強は全く止まりませんで
長男はネットの通信制高校のオンライン授業と
オンライン学習ツールを利用して勉強、
長女は塾のオンライン授業を利用しながら勉強。
I T機器やWi-Fi環境などがあれば、教科書的な勉強は家で十分
しかし大事なのはそれだけではなく、
ステイホーム期間前に、子供達が塾の先生や友達と
リアルな関わりを持っていたからこそ、オンライン
の学びがスムーズにできたと実感しました。
新型コロナウィルス自粛期間を経験し、
私はリアルな人との繋がりや関わりが、
子供のオンライン学習の上でも最も大事だと気づいたのです。
●今後の活動
親同士のコミュニティがある程度できた今、
次は不登校やホームスクーリングの子供達が
オンラインでも交流できるように、地域の
方々にもどんどん協力を求めてリアルの繋がり
や関われる機会をたくさん作りたいと思っています。
学校に行っても行かなくても、
リアルでもオンラインでもコミュニケーションが
自由自在にできる社会は、不登校親子だけでなく
どの親子にとっても重要です。
私のビジョンは、藤沢市をホームスクーリングタウンにすることで
地域の公共施設、大学や大学生、地域の大人達、
地元企業や業者、公立学校、フリースクール、
塾等、藤沢市全体がホームスクーリングという
学び方を認識し、日中昼間でも偏見なく子供を
受け入れられる体制を整え繋がりのある町になる
ことを強く願っています。その様な環境下で
あれば、子供達は安心して興味のある事を学べます。
例えば、図書館では図書館員さんに本の選び方を
アドバイスをしてもらったり、スキルのある
地域の方にプログラミングを習ったり、
料理上手のおばあちゃんにお料理を教わったり、
大学生と探検ツアーに行ったりなど、学ぶ方法は無限です。
私達は “地域のみんなで子供を育てあい、
どんな子供も好きなところで遊んで学べる
ホームスクーリングタウン”を『優タウン』と名付けました。
もっともっと仲間を増やし、
子供達とともに優タウンを一つ一つ形にしていきます。
※最後までお読み頂きありがとうございました。