こんにちは。優タウン代表の小沼陽子です。
私が見てきた朝Cafeや夜Cafeに参加された母親たちの変化の物語を、少しずつご紹介していきたいと始めた「母親たちのStory」。今回は第2話です!
お話を伺ったのは、不登校親の会「朝Cafe」の立ち上げメンバーのひとりでもある母親。
2025年6月現在、朝CafeのLINEグループには130名以上の方が参加されていますが、彼女はいまでもグループに参加され、優タウンを陰ながら支えてくれている大切なメンバーのひとりです。
今、不登校のお子さんを抱えて悩んでいる方に、少しでも希望が届きますように。そんな願いを込めて書いてみます。
⚪︎「誰も来なかったら、私たちでお茶しよう」から始まった
朝Cafeが始まったのは2018年。
もともと私を含めた3人の母親で、
『不登校の親同士のつながりを作りたいねえ。
親の会をやってみようか。
誰も来なかったら3人でお茶すればいいし。
とりあえず、Facebookにイベントを立ち上げて、親の会をやってみよう』
と話したのがきっかけです。
当時の私はFacebookも始めたばかりで、SNSにも慣れておらず、本当に手探りの中での挑戦でした。
『誰も来なかったら3人でお茶すればいいし』
その言葉がどれほど私に勇気をくれたことか。今でも本当に感謝しています。
当初の朝Cafe開催場所は善行駅近くにあるオーガニックレストラン「八◯八」さん。
当時の私は、お茶できる場所といえば、スタバとかタリーズとかしか思い浮かばず、そういったチェーン店は予約できないしどうしたら良いのだろう・・・
そんな悩みを抱えていた時にNPO法人農スクール代表の小島希世子さんが八⚪︎八さん代表の中越節生さんをご紹介くださり、自然の温もりに包まれた空間で、身体に優しいごはんやお茶をいただきながら、安心して語り合える場を見つけることができました。
思い返すと当時から、たくさんの人に支えられてここまでやってこられました。本当にありがたいです。
そんなこんなで開催した朝Cafe第1回目でしたが、想定以上に参加者が多く、告知もほぼしていないのに、7~8人は来てくれたと思います。
やはり1人で悩んでいる親御さんは多いんだと実感しました。
⚪︎息子さんの不登校で辛かった時期
彼女の息子さんは小学5年生で不登校になるも、6年生はまた学校に通いだし、中学校に進学して、いじめをきっかけにまた不登校になりました。
彼女が朝Cafeに参加していたのは、まさに息子さんが中学生だった頃。
母子ともに、とても辛い時期でした。
当時の朝Cafeメンバーはまだ人数も少なく、みんなで誰かの家に集まったり、お茶をしたり編み物をしたりプロジェクトのことを語りあったり・・・
そうやって悩みを分かち合い、お互い支え合いながら、過ごしていました。
⚪︎たどり着いた居場所
中学校を卒業した息子さんは、公立高校に進学。
しかし、しばらくして息子さんはその高校を中退される決断をされました。
その時の気持ちを彼女は、こんなふうに語ってくれました。
「息子が高校中退した時、私はなんとも思わなかったんです。
学生という肩書きがなくなり、何ものでもなくなったけど、逆に”なんでもできる”という気持ちになりました。
息子が高校中退したことで、母としての私自身も自由になれた気がします。」
その後、息子さんは自分で勉強して高校認定試験を受け、予備校にも通わず受験をして大学に合格したとのこと。
大学では気の合う仲間と出会い、楽しそうに通っているようです。
「やっと息子の居場所が見つかったようだ」
と彼女は笑顔で語ってくれました。
⚪︎「不登校」は、実は私自身の問題だった
「すごい長い時間をかけてここまできました。」
「息子の不登校より、もっともっと大きな問題が私自身の方にあったんです。」
そう彼女は話してくれました。
親や兄姉との関係、そして自分が育ってきた家庭環境・・・
教育に厳しい親のもとで育った彼女は、自分も息子に同じことをしていると気づき、この連鎖をここで止めなくてはいけないと強く思ったそうです。
「朝Cafeは、母親を責める場所ではなく、自分で“気づいていく”場所なんですよね」
と話してくれました。
○少しずつ、自分を癒しながら
「まだまだ、自分を癒し続けなきゃいけない」
そう話す彼女は、久しぶりにお会いしたとき、とても輝いて見えました。
自分自身の問題に向き合いはじめた親は強いですね。
でも自分の内面に向き合うというのは、ときにとても孤独で苦しくて、支え合う仲間がやっぱり必要なんです。
それを理解し合える仲間が、朝Cafeメンバーなんだなと改めて感じました。
自分に向き合い、自分を癒し、少しづつ前に進んでいきましょう。
次回の「母親たちのStory」も、どうぞお楽しみに。
小沼陽子(NPO法人 優タウン代表)