不登校の経済的困難問題について

こんにちは。小沼陽子です。
今日は不登校に伴う「経済的困難」という課題について書きたいと思います。

●私達のこれまでの活動

私達が活動を始めた2年半前は、不登校親子に対する世間の目は今以上に厳しく、不登校親子は孤立し孤独でした。
私達は親同士の繋がりを作り、セミナーを開催して新たな価値観を提案し、啓蒙活動を続けてきました。

毎月開催している、不登校児の親や地域の方の集まり「朝カフェ」には多くの方にご参加いただいています。みんなで話をして繫がりができて、母親はどんどん元気になり、それに伴い子供も元気になる姿を間近でみてきて、この活動は間違っていないと感じています。

もちろん今でもまだまだ不登校親子の孤立は強く感じており、その問題は命に関わるほど厳しい状況であるので、今後もその活動は続けていきます。

●新たに見えてきた大きな課題

最近は、不登校だった子供がのびのびと成長する姿をNHKで特集してくれたり、多くのメディアなどで不登校はダメじゃないと発信され、世間からみた不登校親子への見方も大きく変わりました。

問題は、母親の価値観が変わり、世間の不登校親子をみる見方も変わりつつあるのに、多くの母親達の悩みが軽減されているようには思えないということです。

そこで見えてくるのが「経済的に余裕がないと子供に最適な教育を受けさせてあげられない」という親の悩みです。

我が家の子供達もそうでしたが、元気になったからといって、学校に戻る子供は多くありません。学校に戻そうとすると、また具合が悪くなったり元気を失ってしまうからです。なので、各家庭毎に子供の興味関心に基づいて、子供にあった形で学びを進めます。

学校という選択肢をはずした途端、学びに関する全ての経済的負担が個人に降りかかってきます。そうなる事は分かってはいるけど、どうにもならないというのが親の悩みです。朝カフェでも経済的負担の厳しさについては、必ずといっていい程、話題にあがります。

「元気なら学校に行けばいいのに」「元気なのに学校に行っていないのだから、教育にかける資金は自己負担が当然」と言われる事を恐れて、これまで私は不登校親子の経済的負担の厳しさを声を大にして言えなかったのかもしれません。

●経済的困難になる理由

不登校親子が経済的困難に苦しむ理由はいくつもあります。ざっとあげてみます。

・不登校の子供を家で見守る大人が必要なため、共働きの場合は親のどちらかが仕事を辞めなくてはならない。専業主婦の場合は新たに仕事を始めることができない。
・不登校をきっかけに、夫婦の価値観の違いが可視化され、離婚しシングルマザーになるケースも多い。
・一日中家庭で過ごし、給食を食べる事ができないため、昼食代がかかる。
・フリースクールは基本的に月額固定料金がかかる。しかも子供が毎日フリースクールに通えるとは限らない。
・学校からもらう教科書やプリントは子供の進捗に合わないため、結局、自分にあった教材を自分で購入することになる。
・塾やインターナショナルスクールなどは高額。

●目指すところは?

同じように税金を払っているのだから、少しでも子供の教育費に支払う補助をいただけないものだろうか、と思います。

最近では無料で使えるオンライン教材が増えてきて助かっています。教材をこなすことで出席扱いになるケースも検討されています。出席扱いが内申に繫がり、希望する高校を受験できて助かるご家庭もあるかと思います。

一方で、無料オンライン教材の提供だけでは自分にあった学びができず、逆に親子ともに内申を気にして無理にオンライン教材をこなすようになり、学校だけでなく家にいても苦しむケースにもなりかねません。

無料オンライン教材の提供は一つの選択肢として重要ですが、お金やクーポンでの補助があり、はじめて自分の興味関心のある学びができます。

こういった思いは、誰にどのように訴えかければいいのでしょうか?

資金的問題について、恐らくこれまでも同じような検討はなされてきていて、それでも難しく、結局、各個人まかせの状態になっているのだと思います。

ここをもっと勉強して、訴えていかなくてはいけないなと思っています。

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