2025年3月8日(土)、NPO法人優タウンでは、古山明男さんを講師に迎え、スタッフ研修会を開催しました。
参加したスタッフや地域の支援者の皆さんと共に、あたたかい学びの時間を過ごすことができました。古山さんから学んだ内容などをご報告します。
講師紹介:古山明男さん
今回の研修では、古山明男さん(多様な教育を推進するためのネットワーク代表)を講師としてお迎えしました。
古山さんは、千葉県内のフリースクールやホームスクーリングの現場で、不登校の子どもたちに勉強を教えたり一緒に遊んだりして、35年以上向き合ってこられた方です。
NHKスペシャル「学校のみらい」にも登壇され、その活動は広く知られています。
⚪︎子どもたちが安心して過ごせる場所とは?
古山さんが教えてくれたのは、不登校の子どもたちが「居着く」ために必要な環境についてです。大切なのは、次の2つのポイントです。
1.自然の中
2.プレイリーダーがいる
また、不登校の子どもたちには、「自分で距離を調整できる空間」が必要で、それが安心感に繋がるとお話しいただきました。
私たちも、子どもたちが安心して過ごせる環境づくりを目指していきたいと思います。
⚪︎ポリヴェーガル理論と子どもたち
古山さんは、不登校の子どもたちが「学校に行かなければならない」と思っていても、体が動かなくなる現象を、ポリヴェーガル理論で説明しています。
この理論は、私たちが安全を感じるとき、逆に危険を感じるとき、どのように体が反応するのかを教えてくれます。
不登校の子どもたちが無表情や無反応になるのは、体が「危険だ」と感じているからです。だからこそ、彼らが安心して動き出せる場所を作ることが大切だと学びました。
⚪︎子どもたちが動き出すために必要な5つの要素
子どもたちが心地よく過ごし、少しずつ動き出すために必要な5つの要素を教えていただきました。
1.居心地が良い
2.仲間
3.楽しい
4.きれい
5.美味しい
これらが揃うことで、子どもたちは安心して自分のペースで動き出せるようになります。
私たちも、このような環境づくりを心掛けていきたいと思います。
⚪︎活動室の工夫
「自然の中ではないけれど、私たちが利用している広い活動室でどのように環境を整えるか?」という質問に対して、古山さんからは次のようなアドバイスをいただきました。
• 机を壁のように配置して、子どもたちがそれぞれの空間で過ごせるようにする。
• 椅子に座るスタイルを床に変えてみる。
これらの方法を実践し、より居心地の良い空間を目指していきたいと感じました。
⚪︎親の会での対応
親の会では、不安を抱えている親御さんが話し続けることがあります。
その際は、話を否定したり途中で止めるのではなく、話の内容に切り込んで対話をするのが大切だと学びました。
⚪︎衝突への対応
子どもたちは慣れてくると衝突が起きることがあります。
その際には、スタッフが間に体を入れて対話する方法を実践を交えながら教えてくれました。
また、言葉が足りない子どもたちに言葉を添えてあげたり、子どもたちの「かまってほしい」という気持ちを理解するのが大切だと教えてくれました。
⚪︎ランチ会での交流
勉強会の後は、古山さんを交えてランチ会を開き、スタッフ同士でざっくばらんに悩みを共有しながら、お互いに学び合う時間を過ごしました。
和やかな雰囲気の中で、貴重な経験談を聞くことができ、心温まる時間となりました。
⚪︎最後に
今回の研修会で古山さんは、イラストを利用したり、スタッフと実践して見せてくださったりと、とてもわかりやすく丁寧に教えていただきました。
帰る頃には雪がちらつくようなお天気の中、千葉から藤沢までいらしてくれた古山さんに本当に感謝しています。
昨日のお話を参考に、スタッフ一同、力を合わせて活動を続けてまいります。
古山さん、心よりありがとうございました!
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