【ご報告】大学を居場所に!「キャンパススマイル事業」を視察

こんにちは。小沼陽子です。
福岡県大宰府市にある大学「筑紫女学園」で、不登校・ホームスクーラーに対して、安心して過ごせる居場所を大学キャンパス内に作る『キャンパススマイル事業』が開始されました。「藤沢市でも同じように大学と繋がり学校以外の居場所をたくさん増やしたい」そんな思いを抱え、私達は6月22日に事業を視察してきました。視察のご報告です!



(視察先名称)筑紫女学園
(視察先所在地)福岡県太宰府石坂2丁目12−1
(視察内容)「キャンパススマイル事業」を進めている大西良准教授の「今を生きる子どもたちについて考える〜不登校セミナー」に参加。その後、大学キャンパス内を見学。


(視察先名称)筑紫野市生涯学習センター
(視察先所在地)福岡県筑紫野市二日市南1−9−3
(視察内容)大西准教授が講演される「子どもにやさしいまち」ワークショップに参加。その後、大西准教授から「キャンパススマイル事業」についてお話を聞く。


◼︎筑紫野女学園大学公開講座「今を生きる子どもたちについて考える〜不登校セミナー」に参加
講師 長阿彌幹雄(教育文化研究所代表)、大西良(人間科学部准教授)

・大学生や地域の方向けの不登校サポーター養成講座を開催しており、今回私達が参加したセミナーはその養成講座のサマリー的な内容。

・講師の長阿彌幹生さんはご自身のお子様が不登校となり、その後、介護などもあり仕事を辞め、現在は不登校支援を通してみんなが住みよい環境作りに向け、幅広く活動されている。

・20年活動を続けてきた長阿彌さんの生き方、考え方に大変興味を持った。私達の活動と重なる部分も多くあり参考にしたいところがたくさんあった。

・大学生のスマイルサポーター、現在80名。

・大学生からシニアの方まで、幅広い年齢層の方々が50人程度参加しており、関心の高さが伺えた。

◼︎「子どもにやさしいまち」ワークショップに参加 @筑紫野市生涯学習センター
基調講演 大西良(人間科学部准教授)

・大学生サポーターや筑紫野市の方々と一緒にワークショップに参加。

・筑紫野市は平成22年に子ども権利条約が制定されている。

・ワークショップにも地域の方々が60名程度参加されており、地域の方の子育てに関わる意識の高さを伺える。

・「子供たちが自由に遊べる場を増やそう」「世代間の壁をなくそう」など、地域の方々自身が自分達の町を良くしていくという感覚がとても強いと感じた。

◼︎大西先生、大学生、筑紫野市社会福祉協会さんらにお話を聞く

<キャンパススマイルについて>

【取組内容】
・実施場所:筑紫野女学園内のどこでも使用可能。教室・図書館・カフェ・体育館など。
・子供の受入時間:平日2〜4時間目、学生が来ている間。
・対応方法:不登校児1名に対し、大学生2〜3名体制。
・受入市町村:太宰府市内がメイン。近隣市町村からも受入相談あり。
・不登校児は出席扱いになる。ただし、教育委員会に報告書提出が必要。
・子供達向けのプログラムはない。それぞれの子供にあった対応をする。

【取組に至った背景】
・太宰府市の不登校児の人数が増えてきていた。
・行政も不登校対策に取り組みたいとの強い思いがあり。
・教育委員会全体における不登校対策が「学校復帰」だけを目的とせず「社会自立」を目的としており、その考え方が浸透している。
・筑紫女学園はもともと対人援助職を目指す学生が多い。
・大学で子ども食堂を続けてきていた。
・平成22年に子ども権利条例を施行するなど、地域における子育てに関する意識が高い。

【苦労したこと】
・責任問題など、大学側に理解してもらうところに苦労した。大学へは教育委員会が説明会を行った。
・地域のサポータを増やす事が重要。メールだけではなく、直接会って話をしていくしかない。

【取組課題】
・実際に子供が来てくれるか?(その後、子供達が来てくれているとご報告を頂いています!)
・前回も子供が当日突然キャンセルとなった。
・まず訪問して子供と信頼関係を築いてからキャンパスに来てもらうのがベストだが、大学生を大学外へ訪問させる事は事故などの問題もあり難しい。
・大学生が忙しくて、どの程度対応できるかわからない。

【今後について】
・太宰府市内にとどまらず、近隣他市とも連携して、事業を広げていく。

<視察を終えて>

視察では、キャンパススマイル事業を中心的に取り組んでいる大西先生だけでなく、サポーター養成講座・講師の長阿彌先生、大学生サポーター、社会福祉協議会の方々、地域の方々ともざっくばらんにお話ができた事が大変ありがたかった。

大西先生からみたキャンパススマイル事業の取組だけでなく、大学生の気持ち、社会福祉協会側の考え、地域の方々の感覚など、キャンパススマイル事業を多方面から見る事ができた。大学だけなく、地域の方や行政等、様々な繫がりがキャンパススマイル事業の実行には不可欠だと実感した。貴重な場を設けてくれた大西先生に大変感謝している。

中でも長阿彌さんとの出会いがとても大きかった。長阿彌さんは不登校当事者の支援だけでなく、地域の方々に不登校当事者の気持ちや「当事者としては周りの方にはどう接してほしいか」をサポーター養成講座という形で伝えている。

私は講義を聴きながら、周囲の方は不登校児とどう接していいのか分からないのだ、と今更ながら気がついた。大学を居場所とした教育プログラムを考える活動も大事だが、その前に、当事者である私達は、当事者の気持ちを伝え地域にサポーターを増やすことが一番重要な役割であると思えた。

大西先生も、地域の仲間作りが一番大事と何度もおっしゃっていた。メールだけでなく会って話してサポーターを増やしてくしかないとのお話に、地道な活動がとても大事だと改めて実感している。

長阿彌さんの生き方、考え方、活動方法が私達のプロジェクトと繋がるところが多く、今後、長阿彌さんをお招きしてサポータ養成講座を藤沢でも実施したい。

以上、キャンパススマイル視察のご報告でした😊

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